手術室看護師の日記

今更聞けないこと、気になった事を調べてみる。あと日記。ダイエットの事。

メス はい 汗 はい 汗 汗 汗

手術のイメージ

手術のイメージというと何故か「メスッ」のくだりをよく取り上げられる気がする。友人にも「メスってやってんの~?」とか言われがち。これは医療ドラマで手術のシーンがあると、大体手術開始のシーンであり、「メスッ」が登場するからであろう。

あと「汗っ」と言って、看護師が汗拭いてるくだり。これはコントでネタにされているのを見たことがある。

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実際はというと・・・

メスは基本的に皮膚を切るための物なので、一番最初に皮膚を切ったらもう二度と出てこない。(もちろん例外はある)使ったらサヨナラ、すみっこ行きである。だから、メスにとっては最初からクライマックス状態である。最初が人生のピーク、一発屋。後のポジションは電気メスに取られてしまうのだ。

 

そんなメスは、切れ味に関して右に出るものはいない。触れただけで相手を傷つける危うさを秘めている。取り扱いは細心の注意が必要だ。もしもメスを落とそうものなら、靴を突き破り足に刺さる。過去に指と指の間にちょうど刺さり、無傷で生還した奇跡の新人がいた。

 

看護師の靴規制で、「針刺し防止のため足の甲が覆われているもの」などという文言があるが、手術室においては無駄である。病院から支給された靴を履いても、メスの前には無力だからである。鉄板を仕込まねば守れない。その前に落とすなよ、という話。

 

 汗は?

マスク・帽子・ガウン着て、強力な無影灯の光の下に立つと暑い。だから手術中の室内は基本、冷房ガンガンだ。汗などかかない。というわけで、医者のデコを拭くというくだりはあまり見られない。汗かく医者がいないわけでもないが。

 

例外的に帝王切開の手術では、赤ちゃんが誕生して部屋を退室するまで暖房である。つまり執刀医にとっては劇熱。すっぽんぽんで飛び出す赤ちゃんのためにも寒くてはいけない。一連のチェックが終わり、赤ちゃんが退室していった瞬間、冷房全開になる。

 

 

メスは手術の象徴

やはり一番有名な手術機械なだけあって、その影響力は大きい。ドラマのタイトルにも入っている様だし(内容は微塵も知らない)。メスで始まる手術の多いこと山のごとし。メスあっての手術ですぞ。もっと敬え。崇め奉れ。

 

以上。