盲腸 虫垂炎 我慢してはいけない なめるなキケン
先日、「本田翼氏が虫垂炎」と話題になっていた。
別のニュースでは中耳炎と書いてあって意味わからんかったけど、やっぱり虫垂炎だったようだ。
手術では、虫垂だけ切って終わることもあれば、周囲の腸もまとめて取らなければいけないこともある。
目次
盲腸?虫垂?
大腸は盲腸ー結腸ー直腸に分けられ、袋状の盲腸は大腸の最初の部分である。
虫垂は盲腸からぶら下がっている。虫垂は糞石などの異物により閉塞しやすく、細菌が溜まって増えやすい。これにより、炎症を起こすと虫垂炎となる。手術で切除するのは盲腸ではなく虫垂である。
症状は?
典型的な初期症状は、吐き気・嘔吐・食欲不振・心窩部痛である。
痛みは時間の経過とともに右下腹部に移行する。心窩部痛を訴えていても、触診をすれば右下腹部に圧痛を認める。
へそと右の腰骨(腸骨稜)を結んだ線の外側1/3の位置は虫垂根部にあたり、マックバーニー圧痛点(マックバーネー点ともいわれる)と呼ばれる。この部位に圧痛があるのが特徴的とされている。
ちらす?切る?
抗生剤治療
虫垂炎は要するに細菌による炎症のため、炎症の程度により抗生剤治療が可能である。いわゆる薬で散らすというやつである。点滴だったり、飲み薬だったり。
ただし、2割程度が再発するといわれている。
手術療法
抗生剤治療では難しい場合、あるいは患者の希望がある場合、手術が選択される。
通常、虫垂を切るだけなら1時間もかからない。麻酔時間も含めて、手術室内にいる時間は2時間位だろうか。
手術は通常、腹腔鏡で行われる。
内視鏡手術のため、傷は小さく済む。
へそに15mm程度の傷がひとつ、あと2~3か所5mm程度の傷ができる。
場合により、へその傷のみで行われることもあるが、医師の技術が必要だ。
へその傷は丁寧に縫えば、術後に傷はほとんど目立たなくなる。
感染しやすい部位のなので、きれいにしておきましょう。
過去の記事参照 → 臍 へそ HESO キレイにしてますか?
ほっといたらどうなる
炎症が進行して、虫垂が穿孔(穴があく)を起こすと腹腔内に膿瘍が漏れることになる。膿瘍は細菌の塊のような物なので、腹腔内に炎症が波及し腹膜炎へ進行する。ここまでなるまで我慢できないと思うが。
虫垂はボロボロ、そばの盲腸・小腸も炎症でガチガチに癒着してる、までなっていると、虫垂だけ切ることは難しいのでその周囲の腸ごと取らざるを得なくなる。
回盲部切除というやつである。
こうなると、内視鏡下では難しい。開腹手術になるし傷も大きくなる。時間も倍以上かかる。
早めに大きな病院行きましょう
症状の程度、進行のスピードは個人差がある。
別に我慢していたわけではないけど、病院に来た頃には穿孔してることもある。
いつもと違う腹痛があったらすぐ病院行こう。
早ければ早いほど手術は簡単に終わる。
外来で結構な鎮痛剤を投与されていてもだいぶ痛そうな患者をみていると、虫垂炎てすごい痛いんだなと恐怖しかない。
でも自分の病院で手術されたくないな。
なんかやだ。
以上。