腸管癒着とは セプラフィルムの効果は?
先日、腹腔鏡下の直腸切除術についていてふと思った。「この人えらい癒着してるなあ。癒着とは結局なんぞや?」と。
開腹手術を受けた患者の9割程度が腸管癒着が発生するらしい。程度の大なり小なりはあるだろうが。
原因はやっぱり炎症。治癒の過程で周囲を巻き込んでしまうのだろうか。緊急手術でよくある胆嚢炎や虫垂炎では周囲とよく引っ付いてたりして手術が大変。開腹歴のある人もほぼベタベタにひっついてて大変。腹壁と腸が引っ付いてるもんだから、腸を損傷しないように慎重に開腹しないといけない。開腹するまでに1時間くらいかかることも。
夜勤中の真夜中なんかだと全然進まない地獄のような手術になる。
癒着予防に使われるものがウチの手術室では3種類程。昔ながらのセプラフィルム。あと最近見かけるアドスプレー。もう一個なんかあったけど影薄すぎて忘れた。
どれも閉腹する前に貼ったりスプレーしたりするもの。
今回はセプラフィルムを使ってたので、封入されてた添付資料を拝借してきた。
原材料:ヒアルロン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース。
ヒアルロン酸はよく聞く潤い系のやつ?。カルボ~は最も一般的に流通しているセルロース系水溶性高分子のひとつらしい。検索したらamazonに売ってるみたい(笑)2500円/kg。安っ。
セプラフィルムて1つウン万円してた気がするけど、原材料安っ。ヒアルロン酸もそんなに高くないでしょ?薄いフィルム状にするのが凄まじい技術だったりするの?それとも特許的なアレ?
データ的にはセプラフィルム使用するとしない時に比べて、開腹創直下の術後癒着の発生が半分程度になったそうな。
以上。